もずめか日記・改

女+女で波乱万丈に生きる、スペクタクルノンフィクションストーリー。
<< April 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    - | permalink | - | - | -

    【カム】母の場合〜最終話。

    0


       さて、いざ母を目の間にしてみると、あれだけかためていた決意が揺らぎそうになります。

       実は前の晩、知り合いのFtMのMくんに相談しました。
       彼は家族や親族にカム済みでしたが、


      「自分の場合は、片親でしかも完全放任主義なんで、許すも何も無関心なだけです。もずくさんの場合は……ふた親さんご健在で、なおかつお母様はもずくさんと二人三脚状態だったんでかなりショック受けると思います。一生カムしないとう選択肢も、大いにありですよ」


       真剣に考えてくれて、ほんとにありがたかったです、


       それでも私は、今この機会を逃すと二度と勇気がわかないのではと思っていました。
       

       そもそも、私は母には頭が上がらないし、少しでも顔色が変わると【恐怖】すら覚える、ずっと【母が私の世界の中心】でした。大人になるまで、たとえそれが【母親のエゴ、気分次第の束縛】であったとしても、何も疑いませんでした。自分で歩けるようになってから疑問を持ち始めても、頑としてそれに立ち向かうのが本当に怖かった。だって相手は【世界】です。このニュアンス、わかっていただけると嬉しいのですけども。
       ましてや父親は超絶昔人間だから勘当必至だしで、本来なら墓場までもっていきたい、いやいくべきだとずっと思ってたんです。

       二人が幸せならば何を捨てたってかまわない、だなんてよく聞きますが、厳しい両親だったとはいえ、簡単に捨てる捨てられるなんて言葉でくくれるものでもありません。

       だって、私は欠陥だらけで生まれてきたのに両親は見捨てなかったわけで。
       世間から見たら【異常な共依存母娘】だったとしても、私は独り立ちできるまできっちり育ててもらえたわけで。

       めかぶと両親の狭間で揺れる私を、何より私自身がすごく責めましたし悩みました。
       でも、めかぶは、


      「私も大事、親も大事、友達も大事、そんなの当たり前。私の方が大事なら両親捨てろだなんて、そんな気構えでもずくのこと好きになったんちゃう。認めてもらうまでに普通の男女よりも時間がかかるし、死ぬまでそれがかなわないかもしれない、そのすべてを覚悟した上でもずくと一緒になったんやよ、忘れたらあかんよ」


       この言葉で、決意が固まりました。

       

       他愛のない話をして、少し間が空いた時、私はきりだしました。

       以下、会話形式で進めます。


      もずく:母ちゃん、ずっと黙ってたことがあるんですけど……。

      おかん:なにぃな、急に。お金はなぁけんね

      もずく: ! え、い、いや、お金ちゃいますよ!

      おかん:あんたがたいがいしおらしくしよるときは、たいがいそれやけん。

      もずく:マニーからとりあえず離れてください。全然違うから。

      おかん:じゃあなんやな。

      もずく:あの……ええと……。


      〜2分経過〜


      おかん:まどろっこしい! 言うなら言う! 言わんなら言わない! どっち!

      もずく:あの、あの、私、どうやら性別に問題があるようなんですけども!

      おかん:……

      もずく:好きになる子は、ほっとんど女性なんです。

      おかん:……

      もずく:めかぶも……恋人として、お付き合いしています……。




       黙り込む母。

       重くのしかかるような空気。

       胃が少しずつしおしおと痛みだし、次の言葉が出ずにうつむく私。



       すると、その静寂を切り裂いたのは、おかんのとてつもないセリフでした。



      おかん:それは、セックスもしてる仲、そういうことか。


      もずく:え……はい!?



       いったい何なんでしょうか。
       ミサにしてもおかんにしても、最初に聞く話題が夜のことって、何なんでしょうか。 
       わかった、ぇろぇろ星人なんだ。


       ……。


       おかんがそれってことは、私にもその血が!!
       私もぇろぇろ星人!!!


       まあそうなんですけども。(肯定)


       あまりのとんでもない質問に羞恥心が勝って、私はいいえ! と答えてしまいました(激嘘)。すると母は、


      おかん:そんなんほんまの愛じゃないわぁ。ままごとや。ほんとに愛してたら、全部ほしい、ちゃう? 君がそばにいてくれたらいいわーってのは愛でも何でもない、ほんまの自己満足やけぇ。あんた、それなんか?


       ちがいます。
       告白する前に手を出しといてなんですが、愛してます。心の底から。


      もずく:すいません、してます……。

      おかん:そおか……。

      もずく:めかぶと出会って、仕事にも身が入るようになって、お互いポジティブに頑張れてるんです。

      おかん:たしかにあんた、仕事最近めっちゃ頑張っとるけなぁ……。


       困ったようなため息をひとつつくと、母はゆっくりと話し始めました。

       そう、それこそ、衝撃の告白を逆にされてしまったのです。


      おかん:あんたがそういう子ってな、むかーしから気付いてた。それで悩んでるのもずっとわかってた。でもな、悲しいけど私はごく普通の親やけん。手放しで喜べることじゃないのはわかるな?

      もずく:(黙ってうなずく)

      おかん:だから、こっちからは何にも言わんかったん。でもな……。

      もずく:え、な、何?

      おかん:前みたいな彼女とまた付き合ってるようなら、もう絶対首絞めてでも反対してるわ!



      えーーーー!?

      ばれてるーーーーーーー!!??



      もずく:え、あの子のことも……わかってたんでしょうか……?

      おかん:毎日足しげく会社まで迎えにいくわ、会いたい言われたら深夜でも市内まで車飛ばすわ、気づくじゃろ……。

      もずく:……。

      おかん:まだ、めかぶちゃんのことは全部わからん。だから、いいんとちゃう、とはよういわん。

      もずく:うん……。


       私のことには気づいていた母。
       母の中でもとてつもない葛藤があったに違いない。
       それならせめて、何とかめかぶを認めてもらいたい。私が一番安心する人であることをわかってもらって、母にも安心してもらいたい。

       すると母は、


      おかん:人を好きになるっていうのは、自由やから止められん。止めるのも、おかしいわな。

      もずく:うん。

      おかん:あんたとめかぶちゃんが本気なら、証拠を見せてほしい。

      もずく:証拠……?

      おかん:反対したいからこんなことを言うんじゃないし、駆け引きでも取引でもない。あんたたちを快く、心から認めたいんよ。だからこそ、ああ、もうこの子らは大丈夫やなって思わせてほしい。

      もずく:わかった……けど、どうしたらええんかな。

      おかん:あんた、まだ自営の借金とかもろもろ残ってるじゃろ。めかぶちゃんも、前の人が残した借金とか、あるんじゃろ。合わせたら相当な額になると思うけど……。

      もずく:ああうん……あるね。
      (※:ちなみに約800万です。内訳は前カノの借金500+私の自営借金200+めかぶの前旦那の借金100だったかな。首つってもおかしくないお値段)


      おかん:全部、クリアして見せて。

      もずく:!

      おかん:二人で頑張ったらできないことはないというところを、それをもって証明して見せて。何年かかってもいい、根性見せてみぃ。


       母が出した条件。
       それは、二人が背負った膨大な借金を完済してみせろ、というものでした。
       当然年単位、しかも私たちの給料なら10年以上いや、下手したら20年はかかります。それでもあえて、母はこのミッションを私たちに課しました。


       不思議と、その条件を出されたことに腹は立ちませんでした。
       むしろ、感謝したいくらいでした。
       本当は、言われなくても二人で力を合わせて完済しようと決めていたことですし、なにより即反対ではなく証明のチャンスの場をもらえたことがすごく嬉しかったのです。
       


       私は必ず完済すると約束し、心から感謝を述べて母と別れました。
       そしてそれをめかぶに伝え、以後私たちはそれこそほとんどの友人から疎遠になり、ひたすら働く日々を送ります。

       しかしその間も母は、何かにつけ私たちを呼んで食材をくれたりして支援してくれました。

       もちろん、今までべったり親子だった私たちですからお互いの気持ちのやり取りがうまくいかず、言い合いをすることもありました。母にしたら、私を取られた、という嫉妬もあったのだと思います。
       でも私は、絶対にキレるわけにはいきませんでした。
       この短気な私が、絶対キレなかったんですよ! びっくり!
       だってそこでキレて母の信頼を失ったら、何もかも水の泡です。めかぶへの印象が悪くなるだけです。
       なのでどんなに理不尽なことを言われても、その場は素直に頭を下げて、帰ってから布団に百裂拳を見舞ったことも多々ありました。


       初期は、厳しいことばかりめかぶに要求する母に苦悩しましたが、


      「だいじょうぶ、何を言われても頑張れるよ。取ったからには、自分を投げ打ってでも大切にしなきゃいけないからね」


       と、めかぶは四六時中仕事に没頭しました。


       それでも母はちょこちょこ支援を続けてくれ、ついに4年目のある日、私たちは借金を完済しました。

       4年て。
       どんだけ馬車馬だったかお分かりいただけるかと……。

       残高が0になった瞬間、二人で無言で抱き合って泣きました。
       それを母に報告しに完済書類をもって訪れると、母は満面の笑みで、


       頑張ったなぁ、ほんま頑張った。
       こっからやで。
       こっからが人生長いんでぇ。
       二人でちゃんと、支え合わないかん。
       めかぶちゃん、うちの子これ以上病気させたらしばき上げるけど、ほんとよろしく頼むね。



       めかぶが、凛とした声ではい、任せてくださいと答えた姿に涙腺が破壊され、私はひたすらえぐえぐ泣いていました。



       以降、母も我々もフツーに会ってご飯食べたり買い物に行ったりします。
       それどころか、私が母に電話して話していて、あ、めかぶに変わるわーと受話器を渡すと絶対に戻ってこない


       めかぶ:あ、おかーさん、もずくに返さなくていいですか、でんわ……


       おかん:いらん! おっやすみね〜〜



       プツッ



       ツー
       ツー



       ……。


       愛、覚えていますか。





       ともかく、いろいろびっくりさせられた母へのカムですが、今でも本当に感謝しています。
       今でもたまに無理難題を言うこともありますが、いい距離を保ちながらお互いにあまり干渉せず暮らしています。いつかめかぶを養子に、という件も真剣に考えてくれているようです。


       これからも、恩返しするためにも頑張らなあきませんね。

       そしてめかぶ。

       あなたほど有言実行の人をわたしゃ見たことがないよ。
       かっこいいよ。尊敬する。

       私これからも頑張って働くから。
       頑張るから、いくらでも服、買ってあげるから、


       着心地がいい


       そんな理由だけで毎日愛用しているその


       穴だらけのセーター


       もういい加減……フェレットの布団にしようぜ……。





      ※ちなみに、初代もずめか日記から読んでくださっていた皆さんはご存知かもしれませんが、うちはフェレット3本、チワワ2匹がいる動物園です。
      今年に入りフェレット1本がお星様になってしまったので、3本になりましたがみんな元気ですよ!


      ******
      ★拍手お返事
      ・ななしさん…お仕事お疲れ様です! 気になるカム母最終話です。お楽しみいただければ幸いです!


      管理人へのこっそりメッセージ、ブログ読んだでこっそり報告は下のボタンをばしっと!


      ↓それでも、マジョリティではない娘を持ったことには変わりない母。だったらマジョリティ以上の恩返しをしていきます。ずっと、これからも。私にできることでね。
      にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 同性愛・ビアン(ノンアダルト)へ
       
      カミングアウト | permalink | comments(0) | - | -