もずめか日記・改

女+女で波乱万丈に生きる、スペクタクルノンフィクションストーリー。
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    もずくの過去話〜最終話 【もう恋なんかしないなんて】

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       手に汗握るもずくの過去話、ついに最終話です。

       イライラするもずくに岩を投げたくなり気持ちもわかりますが、どうせならマシュマロにしてください。

       過去のお話はこちらからどうぞぉん。

       もずくの過去話1
       もずくの過去話2
       もずくの過去話3
       もずくの過去話4


      ******

       ミツキの妊娠。
       すでにその時点で4カ月を過ぎようとしていました。

       
       正直な、少々醜い本音を書きますと。


       どれだけ愛していても絶対にかなわない夢、それはミツキに私の子を宿すということ。
       男性を選び、私と別れた、その事実だけでもかなりきつかったのに、この妊娠報告は正直こたえました。


       私は男じゃない。

       
      私は社会的にも夫にはなれない。

       
      私は愛した女に家族を与えてやれない。


       
      いわゆる、自分の不完全さを妊娠という事実を持って証明されたようで、背中と額に脂汗がにじみました。

       

       少しミツキから話がそれますが、めかぶと付き合いたての頃、私はよく夢を見ました。

       写真でしか知らない、めかぶの前の旦那さん。
       その旦那さんが毎夜夢に現れては、私を見降ろして言うのです。

       

       お前にめかぶを愛する資格があるのか。

       俺みたいに、婚姻届を出してみろ。同じ名字になってみろ。

       店でも、仕事場でも、親せきの家でも、めかぶの夫ですって言えるのか? 言えないだろう。

       お前じゃ無理なんだよ。

       お前は役不足なんだ。

       一生お前は俺には勝てねえよ。

       

       

       脂汗びっしょりで目が覚めて、横で寝息を立てるめかぶの寝顔を見ると涙があふれてきて、自分のコンプレックス、また気合いのなさにがっかりしていた日々がありました。
       ていうか勝ち負けとか無いのにおかしな話ですね。そこまでまだ自分は自信というものを持っていなかったんだと思います。

       

       話を戻しまして。

       

       突然のミツキの言葉に私はただ唖然としていました。

       私と結婚するって、なんでやねん。

       君はZくんを選び、子供まで出来てるのに何で私?
       

       すると、ミツキが何やら痛そうにうずくまるので、私は椅子に座らせました。妊婦特有の腹部への差し込みらしく、私は痛みが引くまでお腹をさすりました。


       ミツキ:こうやって……お腹、触ってもくれないの……。

       
      もずく:え、何が?

       
      ミツキ:子供ができたって言ったら、なかなか会ってくれなくなって……責任は取る、結婚しようって言ってはくれるんだけど、会いに来てくれないの……。


       Zくんは当時21歳。

       元々遊び好きで、口だけ達者な男でしたので、まあ……想像はつくんですけども……。
       だからって、何で私と結婚せなあかんのか。

       

       責任は取るって言ってるわけだし、Zくんでいいんじゃないのか。

       

       ミツキ:付き合ってる頃は、毎日でも会いに来てくれたのに途中から逆に呼び出されてばっかで……。

       

       釣った魚に、ってやつですね。



       ミツキ:えっちしたら早く帰りたがるの。最初の頃と、全然違うの……。

       

       まとめると、彼がちやほやしてくれなくなったから嫌になったってことですね。


       ミツキ:もずくは優しいし、こうやって子供も大事にしてくれるから絶対もずくじゃなきゃやだ。あのね聞いて! いい考えがあるの。もずくの名前の一文字を取って、子供につけようと思うの。で、一緒に暮らそ?


       

       ……狂ってるぜ……。

       あんた狂ってるぜ……!
       
       あれがダメだったからこっち、こっちがやばくなったらあっち。

       ミツキは私を好きなんじゃない。

       思い通りに動いてくれる私が好きなんだ。

       

       もずく:そんなのできるわけないでしょう。子供は二人の責任だし、父親はZくんなら二人で決めることでしょ。しかもZくんはちゃんと結婚するっていうのならそれでええやん。たぶん今は、予想してない展開で現実が見られなくて会いづらいだけで、そのうち腹くくるんじゃないの?

       ミツキ:もずく、あたしのこと嫌い……?

       もずく:は?

       ミツキ:もずくだけは、あたしのこと、ずっと好きだよね?

       

       私がハト豆鉄砲な顔で立ちすくんでいると、ミツキを迎えに来たお母さんが現れました。

       

       ミツキ母:もずくちゃん……話は聞いたでしょ? この子の力になってあげてちょうだい。産むにしてもおろすにしても、もずくちゃんに守ってやってほしいの。







       

       なんでやねん。







       

       ミツキ母は当然我々が恋人だったことを知りません。
       ので、どういう形で我々が疎遠になっていたかも知りません。
       とはいえ、そういうことを友人にゆだねるってこと自体非常識なんじゃないのかどうなんだ。

        

       あまりの展開に頭がついていかない私に決別の決心をさせた言葉は、帰りしなにミツキが言った言葉でした。

       ミツキ母が荷物を持って先に出た後、申し訳なさそうに、
       

       ミツキ:でも、恋人じゃなくて、それを超えてるから家族なの。だからもずくとは前みたいに恋人ってわけじゃないけど、それよりもっと強い絆で付き合っていきたい。

       

       ダメだこの子。

       

       ある程度は我慢できます。

       よく他の人にも、
       

       もずくは怒らないよねえ、気が長いよねえ

       

       と言われますが、それは単に相手を怒らせたり失ったりする怖さの方が大きいから、それだけなんです。
      近しい人にはふんだんに短気ぶりを披露しますが。甘えですね


       

       でもこれはもう無理でしょ。

       

       そのあと私は電話できっぱり言いました。
       子供のことに関しては、私が決断を下すのはおかしい。
       結婚して産むか、一人で産むかどうするかは、お母さんであるあなたにしか決められない。

       しかもその間、Zくんからも相談の電話が。



       何が悲しゅうて

       

       何が悲しゅうて

       

       元彼女と、その新しい彼氏の相談に乗らなあかんのんか。

       

       一応元恋人なのに、何でやねん。

       

       結局、Zくんが専門学校を遊びすぎで卒業できず就職内定を取り消され、ミツキの両親が結婚を大反対。

       
       そして……。

       
       ミツキは、産まない決断をしました。

       すでに妊娠6カ月、ギリッギリもいいとこです。
       お葬式に呼ばれましたが、私は行きませんでした。

       

       自分の体に宿った命を、自ら断つ。

       この経験が、少しでもミツキの人生に生きてくるといいな、と思っていたの で す が。

       

       ある日、ミツキがまた私の店に突然やってきました。
       私はもう距離を置こうとしていたので、今日はしっかり厳しく言おうと思っていると、
       

       ミツキ:私、頑張る。とりあえず、今の仕事しながらお金貯める。いろいろありがとうね。


       と殊勝なことを言うので調子が狂ってしまった私。
       ああうん、頑張れ、と間の抜けた返事をしていると、
       

       ミツキ:でね、これ見て〜! 職場でね、もらったんだけど〜。

       

       手紙が2通。


       ミツキ:こっちが年上で〜、こっちが年下なの。もう年下はこりごりだから年上の方がいいかなあ? 相談に乗ってほしいの〜! ね、ね、もずくならあたしのことなんでも知ってるでしょ。いい方選んで〜♪



       

       まだ、お葬式から1週間もたっていない上にフッた元彼に新しい恋の相談するって、


       長いことかかった私の心の整理。

       ホントに、周りにも飽きられられたほどに長いことかかりました。



       もう二度と届かないわけだから、
       
       追うのをやめよう。

       もう二度と叶わないわけだから、

       新しい世界へ踏み出す勇気を持とう。

       たとえ最初は一人ぼっちでも、今のままいるより、ずっといい。
       

       

       キャッキャとはしゃぐミツキをさえぎって、私は仕事があるから、とミツキを帰しました。

       ミツキは何もわかっていない様子で、じゃあまたね〜と帰って行きました。



       

       またね。



       

       またね、はもう二度と来ないよ。

       形はどうであれ、本気で好きだったよ。

       それが、単なる意地であるだけだったとしても、私は全力で追いかけたよ。

       気が短くて、よくケンカしてしまう未熟な私だったけども、私の気持ちに嘘はなかったです。


       君が指輪をつけて現れ、私がお金をたたきつけて帰った夜、私は布団で大泣きしました。

       孤独と不安、そして好きな人が心変わりする恐怖、生まれて初めて【消えてしまいたくなるくらいの孤独感】を知った。

       

       いつかきっと、通じ合える。

       

       いつかきっとわかり合って、前へ進める。


       君が彼を選んだ時点で私は潔く退くべきだったんだと思う。



       

       でも、



       

       性別という壁を越えて私を愛してくれた君の気持ち、

       ふさぎこんでいた私の手を引っ張ったあのあたたかさ、

       私が必要なんだと泣いたあの涙、

       

       あれは全部、嘘じゃないと思うんだ。

       

       あれは確かに本物だったと思う。

       

       それの思い出にすがるように、なかなか君を断ち切れなかった。

       周りの友人にも、ホントに迷惑をかけてしまった。
        

       ゴール自体のない道を、がむしゃらに傷だらけで走る私を見て、友人はさぞ心を痛めたのだろうなあと今だからこそ思う。

       

       そして翌日、ミツキからメールが来ました。

       


       いつ相談に乗ってくれる? という、軽快なメールに私は「相談には乗れない」と返しました。すると怒ったようなメールが届き、こうしてまた私が機嫌を取ってくるのを待ってるんだろうな、と私は返事を返しませんでした。

       ほどなくして、電話が。
       ミツキです。
       

       ミツキ:もずく……怒ってるの?

       
      もずく:自分の思い通りにならないからってすぐ怒るのやめた方がいい。

       

       ミツキに厳しく、あんなに冷たい声で話したのは初めてだったと思います。

       

       ミツキ:え、ちょ、ご、ごめんなさい! もずく怒らないで! ごめんなさい……

       もずく:もう、ええやろ。終わりでええんちゃうかな。疲れた。

       ミツキ:なんで!? あたし、一人になるじゃない! Zくんとも別れたし、赤ちゃんも失ったし、あたし一人じゃない! そんなの耐えられない!

       

       ミツキはこういう性格なので、実は友達にあまり恵まれない子でした。ゆえに独占欲も強い子で、一人ぼっちになることを何よりも恐れている子でした。

       

       もずく:私は君に振られて、一人ぼっちになったけど生きてるよ。

       ミツキ:だからあたしが一緒にいるじゃない!

       もずく:一度捨ててまた欲しくなったらごねるとか……自己中極まりないとは思わん?

       ミツキ:いやだ、もずく、一人にしないで。また付き合うから。何だってするから。別れないで……。

       

       君は覚えているだろうか。

       Zくんと付き合ってバリバリ全開の頃、電話で笑いながらこう言ったね。

       

       孤独にさせてごめん。

       
      さみしいでしょ?

       
      許してね。

       
      もずくならきっと大丈夫。頑張って。

       

       あのときの、無邪気な笑い声。

       どんな気分になったか分かるかい?

       今となってはもう思い出したくも、説明したくもないねんけどな。 

       

       でも、それでも断ち切るのに時間がかかったのは私自身が馬鹿だったからだ。

       もういいやろ……。今、言うしかない。

       

       もずく:私が無理。

       ミツキ:え?

       もずく:ミツキと付き合うの、私がもう無理。電話もメールも、これが最後にする。じゃあね。

       

       私は最後まで厳しい口調を崩さず、一方的に電話を切り、すぐに着信とメール拒否をかけました。

       手は、震えていました。

       着信拒否なんて、これが初めて。

       

       気がついたら、みぞれまじりだった雨が雪に変わっていました。

       何てドラマのワンシーン。

       普段テレビなんか見てても、ないない、そんなんない、そんな都合よく雨も雪も降らんってーなんて笑ってたのに。

       自分の時は降るんかい、みたいな。

       

       そんな真っ白で幻想的な景色とは裏腹に、そこにあるのは悲しみと、苦しさと、ほんの少しの怒りと虚しい達成感、とにかく真っ黒な要素しかなく。

       恋人を失い、友人も失ってしまった。

       ホントに一人ぼっちになってしまったなあ。

       でも、自分で決めたことだから自分で責任取らなきゃいけない。
       私は泣き上戸なのですぐ涙が出るんですが、必死にこらえながら車を動かそうとしました。

       

       すると、着信が。

       ……?

       拒否してるからミツキじゃない、じゃあ誰だ?

       

       ミヤコ:久しぶり、うちや、うち。

       
      もずく:ミヤコ……

       

       ミツキと付き合う折、ミヤコは大反対しました。

       小学校時代からのミツキをよく知っていて、性格もよく知っていたミヤコはだからこそ私を守るため交際を止めたのです。

       

       そのミヤコを、私は遠ざけました。
       ミツキを取った結果、ミヤコを失ったのです。

       

       ところが今、こうして電話がかかっているではないの。

       

       ミヤコ:最近、どうやの?

       もずく:……

       ミヤコ:うまく、いってんの?

       

       せっかくこらえた涙が、一気にあふれました。

       何というタイミングで電話をかけてくるんだこの人は。

       

       もずく:終わったよ、全部。ほんま、たった今やで。何であんたそんなにタイムリーなん……。

       

       そう言うのがやっとで、私はしゃくりあげて泣きました。

       ミヤコはそれをずっと黙って聞いた後、一言言いました。

       

       ミヤコ:焼き肉、食べにいこか。

       

       そうしてこのあと私たちは焼肉屋に行き、事の経緯を全部説明しました。
       肉をほおばりながらミヤコはずっと黙って聞いていて、うつむく私の取り皿にもどんどん肉を入れてきます。

       

       ミヤコ:どんどん食べ。食べたら元気なる。

       
      もずく:ミヤコ、ごめんよ。ホント、ごめんよ。あのとき……


       
      ミヤコの言葉を受け止められなくて、と言おうとした私の言葉をさえぎり、ミヤコはええねん、と言いました。

       

       そして、焼きたての塩タンを私の皿にのっけながら穏やかに笑いました。



       

       お帰り、お疲れさん、と。







       

       今でもミヤコとは大親友です。ありがたい話です。

       初めての大きな恋には破れましたが、大事なものは失わずに済みました。

       また、恋人として相手を思いやる気持ち、自分の短気のセーブも学びました。最近、丸くなったねとよく言われます。人間って、性質は変えられないのかもしれないけど、性格って変えられるんやなあと。しみじみ思います。


       

       何もかも終わった夜、もう恋なんかしないと恐怖に震えた私。

       

       それから2年後、そんな闇を吹き飛ばすような人、めかぶに出会うのです。




       

       もう恋なんかしないなんて、



       

       言わないよ絶対。





      〜もずくの過去話・終




      ******


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