もずめか日記・改

女+女で波乱万丈に生きる、スペクタクルノンフィクションストーリー。
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    もずくの過去話〜その4 【あたし、もずくと結婚する!】

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       過去話終盤で、ますますイライラするもずく登場ですが、ぐっとこらえてお読みください。体調の悪い方は、回復してからお読みください。(推奨)


       過去のお話はこちらからーん。

       もずくの過去話1
       もずくの過去話2
       もずくの過去話3
       

      ******

       当時、もずくは今よりもっと気が短く、自己中心的な人間でした。
       そんなもんだから、ミツキとは毎日のようにケンカしていました。

       でも、別れる恐怖に勝てない私がいつも謝る側。
       心のどこかでおかしいなあ、と気づいてはいるものの、同じような毎日を送っていました。

       そしてある日、私は専門学校を卒業し、自分の店を持ちます。

       すると、ミツキがこう言うのです。

       

       私、もっともずくの側にいたい
       
      だから、もずくを手伝えるような資格を、私も取りに行く!

       

       一流の正社員のイスを蹴って、私の力になろうと彼女は専門学校へ行き始めました。

       単純な私のことです。
       生活費に少々不安はあったものの、二人で店を切り盛りできるなら、どんな苦労にも耐えられると彼女を応援しました。

       学校では若い子が多い中、当時26だったミツキと私。
       ある日、私に学校の友達を紹介したいというので、私は快く応じ家へ招待しました。(当時店舗付き借家だったのです)

       そうか、友達ができたならさびしくないし、楽しく勉強できるだろうなあと思っていた私。他は二十歳とか十代とかだし、まあミツキは相手にするまいと思っていたのですが……。


       甘納豆より甘かった。

       少しずつ、事件の足音は忍び寄ります。

       
       ある日、ミツキの煙草を見ると銘柄が変わっています。
       あれ? 変えたっけ? と聞くと、試してみたくて買っただけと答えました。
       いつも学校が終わると直帰してたのが、少しずつ、夜遅く帰ることが多くなりました。
       みんなと勉強してるの、と答えました。

       久々にどこかお出かけしようか、というと、その日は家族で出かけるからと申し訳なさそうに言うミツキに、もちろんいいよ、またどっか行こうね、と何の疑いもなく答えた私。
       

       その夜、電話が鳴りました。
       ミツキのお姉さんからです。
        

       お姉さん:あっ、もずくちゃーん? 飲みすぎてしんどいから迎えにきてー!

       

       姉妹で飲みに行ってたのか、しょうがないなあと車のカギを取っていたら、

       

       お姉さん:今日、あたし彼氏いないから〜。一人でここで待ってるの寒いから、○○駅まで歩くから、そこまで来て〜。

       

       一人……? 

       

       もずく:あれ、ミツキとか他の妹さんとかは……?

       

       お姉さん:えー? ミツキは何か男の子が家に迎えに来て出かけたけどー?


       マッキーの歌で「SPY」というのがあるのをご存知でしょうか。
       自分の彼女が、違う男とこっそり会ってるのを目撃してしまった男の話なんですが、
       

       シャレになんないよ、なんないよ
       悪い夢ならば
       今すぐさめてと 呪文のように叫んでる

       

       と嘆き悲しみ、それでも、

       

       そしていつか思い出して
       嘘も見抜けないほど
       恋に落ちた 役立たずのスパイを

       

       今大事なのはお姉さんを迎えに行くことじゃない。

       ミツキの話を聞くことだ。

       私はお姉さんに「ちょっと事情があって今は行けない」と断ると、ミツキに電話をしました。

       

       何度かけてもつながらない。
       冬の車内、エアコンはきいてるはずなのに指は冷たく、頭痛が止まりません。
       何か熱いものでも飲もうかと思いましたが、21時過ぎて営業している喫茶店はなく、さらには自販機すら見つからず、私はパチンコホールの休憩所でコーヒーを買い暖を取りました。

       

       絶対大丈夫

       

       絶対大丈夫


       祈るようにして何度も携帯のメールチェック。

       私って、こんなにしつこい性格だったっけ……


       自己嫌悪と恐怖と不安で押しつぶされそうになります。

       

       そして、22時を回った時。

       

       あれ? もずくじゃね?

       

       そこに立っていたのは、ミツキが学校の友達集団を連れてきたうちの1人。二十歳の男性のZでした。
       初対面でなおかつ私は年上だというのに、初めからタメ口で調子のりで、思わず説教してしまった子です。
        
       その子の家はここから車で2時間半以上かかるところ。

       

       もずく:え、何でこんなとこいるの?

       

       当然の質問です。

       

       Z:いや、でかいパチ屋だなって思って寄っただけなんだけどさ

       
      もずく:はあ……

       Z:ああ、さっきミツキ送ってきたとこ。今日、ミツキと二人で遊びに行ってて、俺んちの別荘行ったんだけどさ、今度もずくも来て!

       

       ミツキを送ってきたとこ

       二人で遊びに行った

       

       姉妹と出かけてるってのは、嘘?

       嘘をついてまで?

       

       なんでだ?

       

       答えは簡単なのに、頭がかたくなに全否定します。

       

       Z:ああそうだ。もずく、ミツキと親友じゃん。俺、ちゃんと言っておきたいんだけどさ…。

       

       

       聞きたくない
       

       

       Z:ミツキのこと、マジなんだよね。絶対大切にするから、力になってほしい。

       

       おもむろに彼がくわえた煙草は、ミツキが試してみたくて買った、その煙草でした。

       

       点と点がつながり、線に。

       

       学校に、何しに行く予定だった?

       

       私と店を盛りたてていくためではなかった?

       

       男を作るために行ったの?


       私は彼に生返事をすると、そろそろ閉店だし帰るね、とその場を後にしました。




       

       ふざけんな

       

       ふざけんな


       怒りと苦しみと、そんな自分への嫌悪感、羞恥心、あらゆる感情が一気に押し寄せました。理性なんてものは、ほんと、どこかへ吹っ飛んだ感じです。

       そして、ミツキにもう一度電話。

       

       ミツキ:あ、もずく! 今日ごめんね〜、でも楽しかったよ!

       
      もずく:……

       
      ミツキ:お姉ちゃん、全然マイク返してくれないから、なかなか歌えなくって〜

       
      もずく:……

       
      ミツキ:もずく? どしたの? すねてるの〜? かわいいなあー!

       
      もずく:姉妹で、カラオケ?

       
      ミツキ:うん! 楽しかったよー!

       
      もずく:そっか……別荘じゃなくて?

       
      ミツキ:……!

       
      もずく:さっきパチ屋でZ君に会ったよ。

       
      ミツキ:え、な、何言ってんの。

       
      もずく:私だってびっくりしたよ、まさかあんなとこにいるって思わんしねえ。

       
      ミツキ:え、ええと、カラオケしてから、たまたまZ君の別荘に……うん、みんなで言ったんだ、別荘…

       
      もずく:お姉さん、○○で飲みすぎたって言ってたけど?

       
      ミツキ:……

       
      もずく:そうか……やっと理解できた。帰りが遅いのも、Z君やったんやな。

       
      ミツキ:ま、待って。ただの友達だよ!? もずく、またあたしのこと信用してないの!?

       
      もずく:信用してるから、学校行くのも応援したんやないか。それに、信用してたら何でも許されるのんか? 私が、ミツキ以外と二人きりで遊んで来たって言っても、笑っていられるんか!?

       

       もう我慢の限界でした。
       大声出さないと、頭がおかしくなりそうでした。
       

       ミツキ:なによ! そうやって大声出したらいいって思ってんの!? 友達と遊びに行ったくらいで何でそんなこと言われなきゃいけないの!

       

       そして泣きだすミツキ。


       あー……。
       話、ぜんっぜん、通じない……。
       
       泣く女とまともに会話などできねえええ!


       そのあとミツキは一方的に電話を切り、私は頭痛がやまないまま朝を迎えました。

       

       夜、悩みごとをするな


       と昔の人はよく言ったもので、朝は思考をポジティブにさせてくれます。
       昨日のことは夢だったのかもしれない、とまで思えてきます。

       しかし、距離を置きたい、というメールがミツキから届いた後、一切連絡が取れなくなります。

       お互い、クールダウンするのもいいかもしれないな、と言い聞かせて、しかし微妙な気持ちのまま私は仕事に没頭しました。

       

       そんなある日、ミツキのお姉さんが結婚することになり、私は二次会に招待されました。久々にミツキに会える機会でもあったので、私はちゃんと話をしようと心に決め、会場に向かいました。

       そして、会場でミツキに会うと、その薬指には、見慣れない指輪が。

       

       ミツキ:ああ……もらったん、だよね。

       

       クールダウンどころの話じゃない。
       私は、みっともないと思いながらも問いただしました。
       


       ミツキ:やっぱり、彼に会って実感したの。もずくは男じゃない、社会でも認められない恋愛は、苦しいよ。あたしには、無理。

       

       頭を鈍器で殴られたような衝撃。
       私は勢いに任せて、目の前にあったアルコールを片っ端から開けていきました。ウォッカ3ボトルくらいは飲んだと思います。

       そしてパーティーが終わり、私はフラフラと駅に向かって歩きました。

       ところが、ミツキが呼びとめるのです。


       

       もう、話すことなんて何もないんじゃないの……。


       ぐったりしている私にミツキは、

       

       ミツキ:もずくは私の大事な人に変わりがなくて、家族みたいなものなの。分かってもらえるかな……。

       
      もずく:家族ね……。

       
      ミツキ:それでさ、もずく……

       

       もじもじするミツキの後ろから現れた人物。

       その薬指には、ミツキとおそろいの指輪。
        

       Z:もずく、やっほ!

       
      ミツキ:今日、もずくの家に泊ってるってことに、してほしいの。うちのお母さん、もずくのことすごい信用してて、もずくが一緒なら外泊OKだって言うの。でもね、どうしてもだめなら帰るんだけど、タクシー代持ってなくて……どうしよう……。


       

       ……

       

       何で……

       

       こんな女好きになったんやろ……

        

       何でやろ……

       

       本気で惚れた手前、悔しい。

       本気で信じた手前、悔しい。
       

       私の家に泊まることにして、ぶっちゃけ君たちはラブホに行くわけでしょ。
       勝手に終わったことにした私たちの恋を思い返すこともなく、その男と寝るのかと思うと、自分が情けなくてみじめで涙が出そうです。


       くそったれ


       私は涙をこらえながらのろのろと財布から1万円を抜き、ミツキに叩きつけました。

       そのままタクシーに乗り、何も言わず帰りました。


       終わったんだ。

       

       なにもかも、終わった。

       

       私にもっと力があったら……
       私にもっと魅力があったら……


       

       私が、男だったら……


       そう思い浮かべた瞬間、こらえていた涙があふれました。

       私がもし男であっても続いていた保証はないわけですが、それでも自分のこの身を呪わずにはいられませんでした。


       後日、おしゃべりなZ君からメールが届き、やはりあのあとラブホに行ったことを知らされました。
       ミツキからも何回もメールや着信履歴が来ていましたが、取れるわけもありません。
       

       それでも、人間というものは、じゃあはい、嫌いになりました! と簡単に吹っ切れるものでもありません。

       今思えば、意地とプライドの産物としか思えないのですが、私はなかなか吹っ切れないでいました。それをミツキもよくわかっていたんだと思います。

       休みの日に家でゴロゴロしてると突然ミツキが来て、車がおかしいから見てくれというのでチェックしていると、これから市内でデートだと聞かされたり。

       学校で使う教材をZ君に預けたまま帰っちゃったけど、今持ってないと宿題ができない、取りに行きたいけど、お母さんがもずくと一緒じゃないとダメというからついていこうかというと、そういうことにしてほしいだけで、もずくは家にいてとダシに使われたり。

       

       そのたびに、ダメだ、けじめをつけないとと自分を戒めるのですが……。

       すべての思い出が悲しい思い出ばかりではない、確かに笑い合ったり幸せだった思い出もあるわけで、私はそれから抜け出せずに悶々としていました。


       気がついたら10キロ痩せていたある日、突然店にミツキが来ました。

       店にだけは来るな、と言ってあり、彼女もそれは守っていたのですがこの日は真っ青な顔で飛び込んできました。

       

       そして、ミツキは言いました。



       

       赤ちゃんが、できた



       

       人間、ショックがでかすぎるとものすごく冷静になる時ないですか。

       私は、ああ……そう、おめでとう、と言いました。
       いよいよ結婚か、おそらく、式に出てくれとかそういう無神経なこと言いに来たんだろうなあと思っていると……。

       

       千鳥屋本店の千鳥饅頭より甘かった。

       

       ミツキは私に駆け寄り、せきを切ったように泣き出しました。

       

       ミツキ:私、私、結婚なんかしたくない!

       
      もずく:な、何でやねんな。赤ちゃん生まれるんやろ。お母さんになるんやろ。相手は確かに二十歳で若いけど、そらもう結婚せんと……。

       
      ミツキ:いやだ! あたし、もずくと結婚する!


      〜つづく




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      ↓物語も終盤ですけど、ほんとあの頃のもずくにイライラする今のもずく。熱いお茶でも飲んでリラックスリラックス。
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